食事・運動療法を行なってもコレステロールやトリグリセライドの値が改善しない場合は、薬物療法が行われます。薬物療法を始めるにあたっては、単にコレステロールやトリグリセライドの値だけで薬剤の種類や量が決まるのではなく、ひとりひとりの患者さんの背景、すなわち、年齢、性別、合併症、遺伝的な素因、喫煙習慣、これまでに心筋梗塞や狭心症を起こしたことがあるか、などに応じて方針が決まります。遺伝的素因がある場合は「家族性高コレステロール血症」といってとくに動脈硬化が進む危険性が高く、薬物療法はすぐに開始されます。
コレステロールを下げるお薬の中心的存在は、スタチン系薬剤(HMG-CoA還元酵素阻害薬とも呼ばれる)で、治療前の値によって、コレステロールを強く下げるお薬、マイルドに下げるお薬など、最近では選択肢が多くなりました。また、スタチンにはコレステロール低下作用とは別に、特に血管を保護する作用が期待される物もあり、バスキュラースタチン(vascular:“血管の”)という言葉も生まれています。
コレステロールの研究は近年めざましい進歩を遂げています。コレステロールはその数値だけでなく、性質も問題であることがわかってきました。LDLコレステロールは悪玉と呼ばれて久しいですが、酸化LDLは「真の悪玉」、小粒のLDLである「small, dense LDL
」は「超悪玉」とも呼ばれ、動脈硬化の引き金のような存在であることが内外の学会で報告され、話題になっています。
コレステロールを下げるお薬には、これらの新しい悪玉を減らす性質を合わせ持ったお薬もあり、注目されています。
おもにコレステロールを下げるお薬には次のようなものがあります。
| 種類 | 一般名(薬品名) | 主な商品名 |
|---|---|---|
| HMG-CoA還元酵素阻害薬 | フルバスタチン | ローコール |
| プラバスタチン | メバロチン | |
| シンバスタチン | リポバス | |
| アトルバスタチン | リピトール | |
| 陰イオン交換樹脂剤 | コレスチミド | コレバイン |
| プロブコール | プロブコール | ロレルコ |
| シンレスタール |

薬物療法を行なううえで、注意していただきたいことがあります。
どのようなお薬でも、期待した効果のほかに副作用がみられることがあります。薬の服用中に何か変わった症状があらわれたら、医師か薬剤師にご相談ください。
薬ののみあわせにより、副作用があらわれやすくなることがあります。ほかの薬をのんでいたら、必ず、医師か薬剤師に申し出てください。
薬物療法を介したあとも、食事・運動療法を続けましょう。薬の効果が高まったり、薬の用量を減らしたりできる場合もあります。また、高脂血症以外の生活習慣病の予防にも効果があります。
薬は指示に従い、正しく服用しましょう


