コメンテーター
片山内科クリニック(東京都狛江市)
片山隆司(かたやま たかし)先生
A.
まず、日本動脈硬化学会による高脂血症の診断基準(動脈硬化性疾患診療ガイドライン2002年版)によると、総コレステロール220mg/dL以上は「高脂血症」と診断されます。実際にどのような治療が必要かということは、患者さんがコレステロールが高いこと以外にどのような背景を持っているか、例えば年齢、性別、高血圧・糖尿病・喫煙などの有無、ご家族の心臓病の病歴、生活習慣などいろいろなことを検討して医師が判断します。
総コレステロールが高いことは重要ですが、さらに大切なのは、動脈硬化を予防する善玉(HDL)と動脈硬化を助長する悪玉(LDL)のバランスです。特に女性の場合、女性ホルモンの1つであるエストロゲンには、“悪玉”と呼ばれるLDLコレステロールを取り込むための肝臓の受容体を増やしたり、“善玉”と呼ばれるHDLコレステロールを増やしたりする作用があります。しかし閉経を境に、女性ホルモンの分泌は急激に減っていきます。つまり閉経を迎えるまでの女性は、女性ホルモンの働きによって高脂血症の危険から守られているのですが、閉経とともに悪玉コレステロールが増え、善玉コレステロールが少なくなってしまうのです。また、閉経期になると血管の柔軟性を助けるNO(エヌ・オー:一酸化窒素)という物質が減少して、血管が傷つきやすくなることもわかってきました。
コレステロールが高い状態や血管が傷つきやすい状態が長く続くと、動脈硬化が進行して冠動脈疾患(狭心症、心筋梗塞など)が起こりやすくなります。
とくに閉経前からコレステロールが高い方は、早めに内科を受診して医師に相談しましょう。また、血管を“若々しく”保つために、食べ過ぎや運動不足などがないかどうか、過体重*ではないか、日常生活を見直すことが大切です。
*身長からみた体格指数としては、BMI(Body Mass Index)が最も一般的です。
BMI=体重(kg)/身長(m)×身長(m)
BMIは18.5〜25が標準であり、それ以上は肥満と判定されます。
多くの研究の結果、標準体重は最も疾病を発症する可能性の少ない体格であるBMI22を基準として標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22で計算された値とされます。
たとえば、身長1メートル60センチの方なら、
1.6×1.6×22=56.3kg、これが健康のための標準体重となります。
(日本肥満学会2000 より)



