コメンテーター QA :働き盛りの危険因子合併Doctor List Asked Question

コメンテーター
川井クリニック(茨城県つくば市)
川井紘一(かわい こういち)先生

川井紘一先生

Q.45歳になる主人が最近、健康診断で「高コレステロール血症」と言われました。主人は太り気味でタバコも吸っています。このまま放っておくとどうなるのでしょうか?

A.
 「高コレステロール血症」は、血液中の悪玉(LDL)コレステロールが異常に増えてしまった状態です。余分な悪玉コレステロールは血管の壁にたまって“こぶ”を作り、血管の中が狭くなります。また、本来動脈血管は非常に弾力性のある組織ですが、その “しなやかさ”も損なわれていきます。これが「動脈硬化」です。動脈硬化が進むと、心臓病(心筋梗塞等の冠動脈疾患)や脳卒中など、命に関わる病気を引き起こすおそれがあります。多くの研究から、総コレステロールやLDL(悪玉)コレステロールの検査値が高くなるほど、冠動脈疾患の危険性が高くなることがわかっています。
 しかし、奥様がご心配のように、危険サインは「高コレステロール血症」だけではありません。冠動脈疾患の危険を高める要因(危険因子)には、さまざまなものがあります。
 まず、その1つが加齢です。動脈硬化は血管の老化現象でもあり、歳をとればある程度、どんな人にもみられます。とくに男性は45歳、女性は55歳を過ぎたら、危険信号が点滅し始めたといってよいでしょう。
 喫煙はLDLコレステロールの酸化を促し、LDLコレステロールが血管の壁にたまりやすい状態をもたらします。禁煙は重要なテーマです。
 また、ご主人は太り気味とのことですが、肥満があると高血圧や糖尿病にも気をつけた方がよいでしょう。
 こうした要因が積み重なると、冠動脈疾患の危険はますます高くなります。
 ご主人の場合、食事や運動など生活習慣を見直し、早めに内科を受診されることをお薦めします。危険因子の中には、治療で改善できるものとできないものがあります。医師の指導、ご家族のご協力のもと、ご本人が主役となって治療に取り組み、それぞれの危険因子を改善したり、危険因子の数を減らしたりすることがとても大切なのです。



 


川井紘一 先生