コメンテーター
横浜労災病院(神奈川県横浜市)
健康診断部 部長
大村昌夫(おおむら まさお)先生
A.
コレステロールが高い人は食生活を改善することが基本ですが、あわせて運動も行うと、動脈硬化の進行や心臓病の予防に、より一層の効果があります。
適度な運動は、肥満の予防・改善だけでなく、“善玉”と呼ばれるHDLコレステロールを増加させ、中性脂肪(トリグリセライド)を減少させます。
さらに運動は高血圧や糖尿病の予防・治療にも効果があることがわかっています。
また、これらの生活習慣病にはストレスも深く関係していますが、運動をすると気分がすっきりしてストレスの解消にも役立ちます。
このように運動はたくさんのメリットがありますが、「運動は苦手」とか「忙しくて時間がない」など、腰が重くなる方もいらっしゃるでしょう。生活習慣病の予防や治療として行う運動は、特別な筋肉を鍛えたり、歯を食いしばって頑張るものではなく、無理なくできる軽い運動* が適しています。運動療法として誰にでもできて、最もすすめられる運動−それは歩くこと(ウォーキング)です。運動が苦手な人も、忙しい人も、日常生活の中で、やや汗ばむ程度の早歩が出来る機会を増やすことから始めましょう。
ただし、糖尿病の治療を受けていらっしゃる方は、運動することで「低血糖」が起こる危険性がありますので、より厳密に主治医の指示に必ず従う必要があります。狭心症や腎臓病をお持ちの方も、主治医から運動についてのアドバイスを受けてください。
運動の種類については、勝ち負けを競う競技は、無理をしてしまう危険性がありますので、お薦めできません。
冬の寒い早朝、食事前に白い息を吐きながらジョギングをしている方をお見掛けすることがありますが、このような運動は、コレステロールが高く、心臓の血管に動脈硬化がある場合はたいへん危険です。比較的暖かい時間帯の食後しばらくしてから、無理なくできる軽い運動を心がけるようにしましょう。
*すすめられる運動: 早歩き、水中歩行、サイクリング、社交ダンス、体操、太極拳など。




